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アカギや麻雀ネタなど
2018 . 02
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    赤木しげる三世代+ひろゆきが出会う話で四話位の続き物です。
    越境もの(?)なのでそれでもいいという方はどうぞ。

    エアポケット・第一話

    人通りが絶えずひしめく街中をひろゆきはいつもよりも数段軽い足取りで歩いていた。
    懐には麻雀勝負での勝ち金80万円が忍ばせてある。
    知り合いの雀荘に出入りしている手癖の悪い客を追い払う為の代打ち勝負だったが、イカサマを見破った上で見事な勝利を収めた。

    まだ少し日が高いが、仲間を呼んで祝勝会とでもしゃれ込もうかと、携帯電話を手にした時、人混みの中によく知った白髪の人影を見いだした。
    上下白のスーツに虎柄のシャツという派手な服装に、これまた人目を引く鋭い目つきの壮年の男…ひろゆきが麻雀の師として尊敬してやまない赤木しげるの姿があった。
    赤木はひろゆきの姿を認めると、僅かに頬をゆるめてゆっくりと歩み寄ってきた。
    「赤木さん!奇遇ですね。」
    「そういやお前、この辺の雀荘で代打ちを引き受けたって話してたな。」
    「ええ、半荘二回勝負でしたが、もちろん勝ちましたよ!」
    「そうか…やったな!」
    ひろゆきの握りしめた拳に赤木は拳を軽く合わせて心からの笑みを浮かべた。
    一局ごとの出来事をやや興奮して説明するひろゆきの話を聞きながら、赤木はスーツのポケットからジッポライターとマルボロの箱を取りだそうとしたが、その拍子に一枚の紙きれがひらりとこぼれ落ちた。
    「ん…何ですこれ…?」
    ひろゆきが拾い上げた差し出したメモには××駅から徒歩10分、4番地-4、エスポワール203号とだけ書かれていた。
    「エスポワールって…どこかで聞いた様な……マンションか何かですか」
    「んーまあそんな所だ。実はこの部屋を借りて、今日から入れる手筈になってるんだ。」

    その時ひろゆきに電流走る…!

    「赤木さんの……部屋……っ!?」
    ひろゆきにとって赤木しげるは謎の男だ。
    闇の麻雀界を支配していた神域の男で、数え切れない伝説が語り継がれている。
    そんな男の資産は想像もつかぬ莫大な額であろう。
    ゆえに住居のグレードも一般人よりも遙かに高いに違いない。
    恐ろしく腕の立つ博徒である男だが、他者と深く関わりたがらない気性のせいか、赤木のプライベートを知るという者は居ない。
    謎めいた背景に、普段からの予測のつかぬ言動。
    全ての事象を理で計ろうとする性分のひろゆきにとっては、不可解の塊の様な赤木の存在はやっかいだった。
    だが、不可解であるからこそ、その内実を知りたくなる。

    「ここからだと電車使わなきゃなんねえが、今から一緒に来るか?まだ家具が揃ってない状態だが、酒と麻雀一式はあるぞ。」
    ひろゆきのざわめく心中を見透かした様に、赤木はにんまりと笑った。
    「行きますっ!」
    「そうか…ククク…」
    まだ見ぬ赤木の新居の様子をうっとりと想像するひろゆきは、どこか禍々しさを感じる赤木の笑みの意味に気づく事はなかった。


    ××駅周辺は都会から少し離れた場所にあり、まだ日も高い時間帯だと人通りが少ない典型的なベッドタウンであった。
    平和そのものに見える町並みに、突如、似つかわしい怒号がひろゆきの耳に飛び込んだ。

    「てめぇ、何とか言えよ!!今俺にガン付けただろうが!」
    「出すもの出せば勘弁してやるって言ってるんだよ!」
    塀に囲まれた狭い路地に品の悪い若者が三人、ナイフを手に寄ってたかって小柄な少年を取り囲んでいた。
    「この目は生まれつきだ。だからアンタらに謝る責任は俺には無い。」
    路地の入り口で立ち止まったひろゆきの位置からは、孤立している少年の顔はよく見えなかったが、その落ち着き払った声色から随分とでかい肝を持った人物である事は分かった。
    「なんだ喧嘩か?ククク…」
    鋭い目を爛々と輝かせて路地に踏み入ろうとする赤木を、ひろゆきは声をひそめて制止した。
    「駄目ですってば!あいつら刃物持ってるから危ないですよ!!警察呼びましょう!」
    「まァ待て。面白いじゃねえか。あのガキ……」
    普段は物静かなこの男の中には人一倍好戦的な魂が宿っているのをひろゆきは知っていた。
    初老とは言え体のキレはまだ衰えず、その辺の手癖の悪いチンピラ5・6人相手でも一人でものの五分かからずのしてしまうだろう。

    今にも張りつめた糸が切れそうな緊張感の中、少年の足下にぱさりと紙の束が落ちた。
    「うっ!」
    驚きのうめき声が上がり、若者達の間にざわざわと困惑の波紋が広がる。
    「まあ端金だが、これで勘弁してくれないかな?」
    紙の表面に印刷されているのは聖徳太子が描かれた旧一万円札だが、れっきとした日本貨幣であれば使えないという事もない。
    足下の旧一万円札の束と、不敵に笑う少年。
    相互を不審に思いながらも、目の前の金は若者の一月分の給料の遙か上の金額。
    だが、易々と飛びつくほど愚かではない。
    「ちょっと待て!ニセモノかどうか確かめてやる!」
    札束に若者の右手がそろりと伸びるや否や、

    パアニ…!

    耳をつんざく銃声が響いた。

    若者の手には銃跡が穿たれ、その穴から血がぼたぼたとこぼれ落ち、地面と落ちた札束の上に赤いしみを作った。
    「ぐああっ!!!」
    絶叫を合図に若者達は今目の前で起こった出来事を強烈に認識した。
    その場にいた者の目線が札束に集中した隙を狙って、少年が隠し持っていたリボルバーで若者の手の甲を打ち抜いたという事を。
    「こいつっ…銃っ…銃持ってやがるッ!」
    「てめえっ!こんな事してタダで済むとおもってんのか!」
    ナイフを両手で突き出しながらも、引け腰でいつでも逃げられるといった風の若者達を少年はせせら笑った。
    「銃とナイフ、そのどちらかが早いなんて小学生にだってわかるだろ。ましてやアンタらは素人。例え数に物を言わせて俺を殺せても無傷でいられる可能性は、低い。」
    「何言ってやがる……」
    上下の綺麗な並びの歯をむき出しにして口元を引きつらせながら、少年はリボルバーの激鉄を起こして、手首を押さえてうずくまっている若者に狙いを定めた。
    「よっ…よせっ!!!!」

    パアニ…!

    悲鳴の様な制止も空しく二発目の銃声が響きわたった。
    「………っ!!!!!!」
    二発目の弾はうずくまった若者の左腕、上腕二頭筋辺りに深くめり込んだ。
    「ぐっ……てめえ…!!!!あうっ……」
    地面にぼたぼたと落ち広がっていく血糊を目の当たりにして、周囲を取り囲んだ若者が更に引け腰になり、少年の一言にサッと青ざめた。
    「これで両腕はしばらく使えない。」
    再び激鉄が起こされた銃口は次なる獲物へと向けられる。
    「さて…次はどこにしようかな。足か…それとも頭か…!」
    楽しくて仕方がないと言った狂気的な笑みを受け、若者達は恐怖に取り憑かれた。
    無傷でいられる可能性は低い…少年の言葉は予測ではなく現実のものになろうとしているのだ。
    両腕の要所を撃たれた若者の痛みはこの場だけでは留まらず、これから数ヶ月は腕の治療を強いられ不便な生活を過ごさなければならないのだ。万が一にも当たり所が悪ければ最悪、腕は一生動かない。金銭的、精神的、肉体的苦痛を味わう事だけは明白である。。
    腕ですらかけがえのないものなのに、ましてや足や脳に損傷を受けるなんて事は考えたくもない。
    「こいつ…やばいぜ…キレてやがる……」
    目の前にいるコイツは、ただのひ弱なガキじゃない…危険…危険すぎる…。
    回避しろ、逃げろ、殺される
    そんな端的な単語が若者達の頭を埋め尽くすが、あまりの恐怖に足が地面に縫い止められた様に重く動かなかった。
    涙とも汗とも鼻水とも判別が付かぬ体液がダラダラと流れ落ちる。
    このままここで凶弾に撃たれるのを待つのか。

    そんな中で、遠くからわずかに聞こえてきたけたたましい高音が、若者達の停止していた思考を激しくゆり動かした。
    「パトカーかッ!?」
    「助かったッ!!」
    一人の少年をよってたかって恐喝した事実はあれど、言い逃れでどうにでもなるし、何よりも先に事を起こしたのはこの狂人。
    弾跡に、傷つけられた負傷者。現場を見ればどちらが罪深いかは明白であった。
    「チッ!!」
    少年は手にした銃に素早くセーフティロックをかけ、腹のベルトにしまい込んで走り出した。
    立ちすくむ若者を脇へ突き飛ばし、路地の向こうへ一気に駆け抜ける。
    似たような通りが多いこの地形が幸をなしたか、パトカーの音はまだ遠い。
    少年は走りながら警察から身を隠す算段を頭の中で組み立てた。
    「ハァ…ハァ…そうだ……あの野次馬の…男っ……」
    少年を取り囲んだ若者達の向こうに微かに見えた二人の男の姿。
    まっさきに警察に通報する事が出来たはずのあの二人の姿は、少年が路地を抜ける頃にはすでに居なかった。
    「何故だ…」
    銃を持つ少年に恐れをなして、どこかに避難したというのか…。
    …あるいは……。
    「そう…あるいは……。」
    脳裏に走った閃きに少年は壮絶な笑みを漏らした。

    (つづく)
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