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アカギや麻雀ネタなど
2017 . 10
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    fkmt越境SS続き
    四人のメンツが揃いましたよと。
    ひろゆきは赤木が用意してくれた瓶ビールをコップに注ぎ、一気に喉に流し込み一息ついた。
    もう何がなんだかわからないという気分の時には、酒はうってつけの飲み物だ。
    ひろゆきが座っている四角のちゃぶ台の対面にビール片手に煙草をくゆらせている赤木が座しており、その左でつまみのピーナツをもぐもぐと頬張ってる白髪の少年・赤木しげるがいた。
    初老である赤木はともかく、一本の混じりけもない白髪をこんな年端もいかぬ少年が持ち合わせているのは異様だ。脱色を施したか、あるいは先天性のものかもしれないが、もし後者だとしたら簡潔な答えにたどり着く。
    多分、そこで寝ている男も…年格好を考えれば十分説明が付く。
    赤木の右隣の窓際の席、つまり上座に位置する場所で図々しくも昏々と眠りにつき、この席は我が者と居座っている青年もまた一糸混じらぬ白髪の持ち主だった。


    玄関先での問答の末、部屋の中で話し合おうという赤木の提案をひろゆきはしぶしぶと受け入れ、少年・しげるも異論は無かった。
    部屋に入ろうにも、鍵穴が錆びて中に入れぬという問題も、鍵を指したまま蹴りを入れる、というしげるの粗暴な行動によりあっさり解決した。
    何はともあれ、外の極寒から解放されると胸をひとなでしたのもつかの間、新たな難問がひろゆきの頭を悩ませた。
    こじんまりとした上がりかまちに、まさかの先客の証たる白いスニーカーが一足。
    靴の持ち主と思わしき人物は奧の畳の間で堂々と横になって眠っていたのだった。

    青年は軽く見た所、ひろゆきと同じくらいの年代で、上下は青い作業服を着込み、白髪とシャープな顔の輪郭と高い鼻を併せ持っていた。
    (似ている…そう…赤木さんが俺くらいの年だったらきっとこんな感じだ)
    作業服という出で立ちがどこか不似合いだが、この青年は赤木とは違うまっとうな人生を歩んでいるのだろう。
    そんな事を考えてると、しげるが足でツンツンと青年の頭を小突いた。
    「おいよせっ!人の頭を足蹴にするなっ。」
    ひろゆきの制止も気にせずに、しげるは青年の肩を揺らしてみるが、その体は微動だにせず、眉すら動かなかった。
    脈を取ってみると生きてはいる様だが、あまりの剛胆さにひろゆきは苦笑いせざるを得なかった。
    面白がってしげるが揺さぶりを大きくした途端に、青年の懐からバサバサと何かが転がり落ちた。
    「あらら。」
    その物体に三人の目が釘付けになった。
    数は四個。
    四百万円もの札束を認め赤木は、マルボロの煙をフーッと吐き出してつぶやいた。
    「こいつは面白い…ククク」


    4百万もの現金を懐に隠し持っていた怪しい青年は、いくら強く揺さぶっても一向に目覚める気配は見せなかった。
    この青年は何故ここに居座っているのか、この部屋にどうやって入ったのか、そもそも何者なのかという疑問がひろゆきの頭を駆けめぐったが、いざ不味い事になったらこいつで撃ち殺せばいいと銃を片手に悪辣にニヤつくしげるの一言でこの問題はひとまず保留せざるを得なかった。

    卓上に並べられた酒が半分ほど消費された頃に、一つの難問であるしげるの一身の取り扱いについての議論が持ち上がった。
    卓上に無造作に置かれた血まみれの札束と引き替えに、一時警察からこの身をかくまって欲しいというしげるの要求にひろゆきは異論を唱えた。
    「ダメダメッ…!こんな物じゃ安全は買えないよ。」
    「これじゃあ足りないって言うのか?」
    100万の上に、どこに隠し持っていたのか更に二つの束が上乗せされたのには唖然とさせられたが、ひろゆきは首を縦に振らない。
    「単刀直入に言うとね、俺は赤木さんと、俺自身の身の安全が欲しいんだ。つまりお前の腹に収まっている銃を差し出す事が条件っ!これ以外は認めないッ!!」
    ひろゆきの拳が卓上に叩きつけられるが、やはりしげるは動じずにまっすぐと不敵な眼差しで見返した。
    「そういえば、まだ解せない事があるな。」
    「ああ?」
    「サツを呼んだ現場から何故あんたらは逃げたんだ?」
    「それはさっきも言った通り、拳銃を持った…」
    「違うね。あんたはともかく、そっちのジジィは拳銃を持っている俺がここを訪れた時に全く動揺を見せなかった。」
    しげるの鋭い目線がひろゆきから赤木に移る。
    「白いスーツに、馬鹿みたいに派手な柄のシャツ。ただの派手好きという理由で片づける事もできるが、あまりにも肝が座りすぎている。俺は気質の人間ではありません、と看板を付けて歩いている様なものだぜ。」
    「こいつは俺のお気に入りなんだが、そんなに目立つかな?」
    着込んだ白スーツの襟を指でつまんでしげしげと見つめる赤木の暢気な様子にひろゆきは頭を抱えた。
    「このジジィはおそらく893関係者かそれに近しいもの…サツと顔を合わせるのは避けたいものだ。もしひろゆきさんが言うように、単に拳銃を持った凶悪なガキに臆しただけだったとしても、ここにある300万に、そこで寝ている男の懐に400万という状況を押さえられて、自分たちは無関係だとサツの追求を綺麗にかわしきれるのか?」
    「………っ!」
    あの路地でしげるが赤木の姿を見たのはほんの一瞬。
    確かに赤木は外見的にも、まとったその異様な雰囲気も目立ちすぎるものがあるが、複数の不良を相手にして、その上、パトカーが迫ってきているという危機的状況で、赤木が叩けば埃の出る身だという事を見越して、逃走の手段を企て、しかも見事に実行してみせたのだ。
    「どちらにせよ、面倒事は避けたいのは当然で、サツをここに呼び込んで俺を叩き出す手は無い。素直にこの紙切れをつかんでおけばいいんだよ。」
    「ぐっ…」
    拳銃という凶悪極まりないアイテムを所持しているしげるがこの場では圧倒的に有利である事は明白であり、それを易々と手放すはずもない。
    この不利な状況を覆すにはどうすればいいのか…
    その時、ずっと沈黙を守っていた男が動き、場の空気を変えた。

    「サツだの銃だの何を物騒な話をしているんだか…」
    先ほどまで惰眠を貪っていたはずの青年が、だるそうにその身を起こした。


    深い眠りの淵から目覚めた青年はアカギ…赤木しげると名乗った。

    (つづく)
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